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【第2回】論破の限界を超えて~進化を促す「ABC思考」の導入「正しいはずの選択が、なぜ対立を生み、停滞を招くのか。」
1. ビジネス現場
1.「本来あるべき姿」への選択が招く、構造的な摩擦
前号では、進化する組織にするためには、「現状の課題を放置せず、本来こうあるべきだという姿に向けて選択を変えていくこと」が重要だとお伝えしました。
しかし、いざ現場でその選択を実行しようとすれば、必ずといっていいほど深刻な摩擦が生じます。この対立は、誰かが「悪い」から起きるのではなく、組織の構造上、避けられないものです。
なぜなら、同じ事象を見ていても、立場によって「見えている世界」が全く異なるからです。現場で汗をかく者に見える「致命的な欠陥」も、経営的な数字を見る者には「許容範囲内のコスト」に見えるかもしれません。それぞれが自分の見えている世界における「最善」を選択しようとする結果、組織内には複数の「正義」が衝突するカオスが生まれます。勇気を持って踏み出した一歩が、皮肉にも組織の中に激しい対立を生んでしまう——。変革を志すリーダーの多くが、まずこの「対立の壁」にぶつかり、立ちすくんでしまいます。