
「相手がどんどん気持ちを話してくれる」今日から使えるコミュニケーション技術ベスト3
ビジネス現場でコミュニケーションが重要となる背景
風土改革・組織開発にかかわるコンサルタントとして、20年以上、企業・組織の現場にかかわらせていただきました。そのなかで、やはり思うのは、コミュニケーションの重要さです。職場の課題解決や目標達成も、コミュニケーションの質のよしあしが、その結果を大きく左右すると言っても過言ではないように思います。
ビジネスの現場は、1人では動きません。多くの仲間と協力して仕事を進めることが求められます。だから、チームとして成果をだすためには、メンバー同士のコミュニケーションの質が重要なのは、当然かもしれません。
「大切なのは、技術を知っていることでなく1つでも実践すること」
そういう背景もあってか、コミュニケーションに関する情報は世の中に溢れています。
実際、多くの人が1度はコミュニケーションに関する研修に参加したり、関連するビジネス本などを読まれたことがあると思います。
しかし、研修でたくさん学んだあと、「少しは意識したけれど、いつのまにか忘れてしまった」「いつのまにか、以前と同じコミュニケーションをとってしまっている・・」なんてことはないでしょうか?
やはり、大切なのは研修等で学んだ技術を「実際に使えている」ことです。
そこで、今回は、コミュニケーションの重要な要素である相手の話を「聴く」ために、実践してほしい技術ベスト3を紹介したいと思います。
いずれも “誰でもすぐに実践できる技術”かつ“1つでも実践すれば効果のある技術”ベスト3ですので、ぜひ、実際に使ってみてもらえればと思います。
1つでも実践してみれば、きっと、みなさんを取り巻く人間関係や職場課題によりよい効果が表れることと思います。
重要なのは「聴いている」ではなく「聴いてもらえている」と思われること
もちろん、「わたしはちゃんと人の話を聴いている」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、重要なのは「聴いているかどうか」ではなく、「聴いてもらえていると相手が感じるかどうか」です。この違いを理解することが、コミュニケーションの質をあげる第一歩です。相手に「聴いてもらえている」と感じてもらうことは、信頼関係を築き、より深い話を引き出すために非常に大切なのです。
では、具体的にどうすれば「聴いてもらえている」と思ってもらえるのでしょうか?
1. 「うなずき」を意識的に使ってみる
いくらシンプルな技術紹介とはいえ、1つ目が「うなづき」か・・・と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、うなずきは、「あなたの話をちゃんと聴いていますよ」というサインを相手に伝える、シンプルかつ強力なツールです。「うなづき」一つでコミュニケーションの質は飛躍的に高まります。
にもかかわらず、実際、ビジネスの現場では、自分と同じ意見だったときの「そうだそうだ!」という同調のうなずきはよく見られるものの、相手の話を真摯に聴く姿勢を示す「うなずき」を、しっかりできている人はあまり見かけないのです。
たかが、うなづき、されど、うなづき。
うなづき一つを実践するかどうかで、コミュニケーションの質が相当変わるのですから、今日から実践する1つとしては最適でしょう。
ある接客業で成功した方は、「お客様の話を丁寧にうなずきながら聴くこと」が成功の秘訣だと語っていました。ビジネスの場でも同じです。会議中に上司の話に適切なうなずきをすれば「こいつは、俺の話をしっかり理解している」と感じてもらえるでしょうし、部下の相談に親身になってうなずけば「この人は話しやすい」と思ってもらえるはずです。
ちなみに、うなずきにも、いくつかの技術があります。
①小さなうなずき: 相手の話を促す効果があります。「続けてください」というメッセージを相手側に伝えます。
②深い頷き: 相手の話に共感していることを示します。「あなたの気持ち、わかります」という共感を伝えます。
③うなずきのペース: 相手の話すペース、特に句読点に合わせてうなずくと、より自然に伝わります。
2. 言葉で「反応」を示す
うなずきに加えて、話の内容に興味を持っていることを言葉で伝えることも、相手に安心感を与えるために重要です。
具体的な反応の例
①単純な反応: 「へー」「なるほどー」「そうなんですね」など、短い言葉で相槌を打ちます。
②オウム返し: 相手の言葉をそのまま繰り返します。 例:「子供が3人いるんですが…」→「へー、お子さん3人いらっしゃるんですね。」
特にオウム返しは、相手に「あなたの話をしっかり聴いていますよ」という強いメッセージを伝えることができます。ある有名なインタビュアーは、スクープを引き出す秘訣としてオウム返しを挙げていました。相手に「聴いてもらえている」「興味を持ってもらえている」と感じてもらうことは、相手が心を開いて話してくれるかどうかに直結するのです。
もちろん、そんなこと知っているよ・・という声が聞こえてきそうですが、ポイントは、実際に、「使っているかどうか?」です。
実際、この技術も、うなづき同様、使っている人は多くありません。
使っている人が多くないという事は、この単純な技術を実践するだけでも、「あの人は、とくに、話しやすい。」「あの人は、とくに、話をしっかり聴いてくれている。」そんな風に思ってもらえることでしょう。
3. 「間」を大切にする
3つ目の「間」については、コミュニケーションの技術としてあまり語られることはありません。しかし、私がコンサルティングの現場で非常に効果を感じるのが、この「間」の取り方です。
相手の話をしっかり聴いた後、すぐに自分の意見を返す人が多く見られます。しかし、ちょっと考えてみてほしいのです。自分の話が終わった直後に、間髪入れずに意見を返されたら、話した側はどう感じるでしょうか?
「ちゃんと話を聞いてくれたのかな?」「私の意見を考慮して考えてくれたのかな?」という疑問や、言葉にならないモヤモヤを感じさせることになるのです。
そこで試してほしいのが、「3秒ルール」です。
相手の話が終わってから、自分の意見を言うまでに3秒ほど“間”をおくのです。この3秒は、相手に「あなたの話をちゃんと受けとめて、考えていますよ」という印象を与えるための大切な時間となります。
可能であれば、ただ3秒待つだけでなく、その間に相手が話した内容を頭の中で簡単に振り返ってみると、さらに効果的です。「〇〇さんは、こういうことを言いたかったんだな。」と確認することで、より相手の意図を汲み取った、質の高いコミュニケーションにつながるでしょう。
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今回ご紹介した3つのテクニックは、どれもシンプルですが、1つでも意識して実践することで、あなたのコミュニケーションは大きく変わるはずです。
ぜひ今日から、試してみてもらえればうれしいです。相手に「聴いてもらえている」という安心感を与えることができれば、きっと、より良い人間関係、そしてより良い成果に、つながっていくことでしょう。

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