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ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とパーパスの本質的な違いとは?

目次

  1. パーパスとミッション・ビジョン・バリューの違いとは?

  2. パーパスに取り組む本来の目的とは?

  3. パーパスとMVVは取り組む目的が違う


パーパスとミッション・ビジョン・バリューの違いとは?


「わが社にはMVVがある。あらためてパーパスを設定するにあたり、今までとなにをどうかえたらいいのか?どういう言葉をつくればパーパスになるのか?」

最近、パーパスについてMVVとの違いはなにか?と聞かれることが多くなってきました。

パーパスを従来のMVVの延長線上のものととらえ、それぞれの定義の違いはなにかということであれば、その論点についてはネットなどをググれば、いくつも解釈がでてきます。なかでもパーパスとミッションは近いニュアンスでとらえられているようですが、

「将来会社が目指すべき姿がミッション、現在のあるべき姿がパーパス」

「自社の使命とはなにかがミッション。その使命を社会とのつながりまで意識したのがパーパス」

など、いくつかの視点があるようなので、ぜひ参照していただければと思います。


しかし、数多くの企業の現場でパーパスに取り組んできた経験からいえば、パーパスへの取組を意味あるものにするためには、そもそも、パーパスを「MVVの延長線上にある概念」ととらえないほうがいいでしょう。パーパスを従来のMVVの延長線上で理解し、その違いに当てはまる言葉を作る活動ととらえてしまうと、パーパスへの取り組みはどうしても矮小化されてしまい、本来の意味を失ってしまうからです。


MVVとパーパスは、取り組む目的が質的に違うのです。


その理由を説明するために、パーパスという概念がでてきた背景や時代環境から簡単に触れてみたいと思います。



パーパスに取り組む本来の目的とは?


そもそも、パーパスという言葉が注目を浴び始めた背景には、

・社会の企業への見方の変化として、

従来の株主資本主義ではなく「ステイクホルダー資本主義」といった、企業に社会の一員として社会の利益とつながる責任ある行動を求めるようになったこと

・企業自体の変化として、

取り巻く環境が不安定化し、社員にもっと主体的に考え行動を求める自立化ニーズや、エンゲージメントのニーズが高まるなか、会社の存在に社員が共感していることの重要性が理解されるようになったこと、などがあります。


つまり、企業という存在が、より多くのステークホルダーの意味や意義とつながっていなければ成立しなくなり、その会社の存在に、なにより社員が、共感できていなければ、会社を強く成長させることができない時代になってきたということです。

パーパスは、そういう時代の変化のなかで、企業が環境対応しシフトチェンジするための方向性や考え方として注目され始めてきたのです。


ですから、パーパスに取り組む本来の目的は、MVVとの言葉の定義をはっきりさせパーパスを言語化することではありません。


会社の目指す方向性や存在意義が、多くの人にとっての意味や意義とつながっているか?特に、パーパスを実現する社員にとっての意味や意義とつながっているか?共感できているのか?に向きあうこと。もっといえば、企業を取り巻く社会環境の変化、価値観の変化という大きな流れに、会社はどう進化すべきか?という大きな問いに向き合うことなのです。



パーパスとMVVは取り組む目的が違う



 その前提で、あらためてMVVとパーパスの違いはなにか?その本質を明確にするのなら、取り組む目的レベルでの違い、すなわちMVVは「会社の目指す方向性・存在意義などを言語化し社員に示すこと(≒会社が進むべき方向を社員に指し示す)」であり、パーパスは、「(会社の目指す方向性や存在意義などを、)多くのステイクホルダーの、特に社員にとっての意味や意義がつながる共感性の高いものにしていくこと(≒社員と会社が進みたい方向を共有する)」になるでしょう。


 当然、目的がMVVと違うということは、パーパスに取り組む手段(やゴール設定)もMVVを作る手段(やゴール設定)とは変わってきます。企業をとりまく環境は、大きな時代の転換期にあります。会社を進化させ生き残っていくためにも、このパーパスという取り組みも、まずは何のために取り組むのかを正しく理解すること、そして、実現のためにただしい手段をとることが大切になるでしょう。


 

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